臨床検査科

臨床検査は、患者様から採取した血液、尿など検体の分析を行う検体検査と、心電図、肺機能、超音波など、体から直接測定して得た情報により、心臓や各部位の機能を調べる生理検査の二つに大別されます。
これらのデータは医師に提供され、病気の診断や治療に役立っています。
臨床検査科では、臨床支援という形からではありますが、患者さまへのより良い医療の手助けになれるよう、迅速で正確な情報の提供を心がけています。

検体検査

多くの検査を自動分析装置で実施し、検体は臨床検査システムでのバーコード運用で、病院情報システムに連結し、迅速な検査結果報告体制をとっています。

生化学検査 血液中の蛋白質、脂質、糖質、各種酵素、電解質を測定し、肝機能、腎機能や炎症の度合いなどを調べます。測定結果は、採血後30分以内に報告するシステムをとっています。
免疫学検査 体内に細菌やウイルスが入ると、抗体が作られ、体を守ろうと働きます。感染によって生じた抗体があるかどうか、またインフルエンザのように今現在感染しているかどうかを調べたりする項目もあります。各種のガンで異常値となる、腫瘍マーカー項目も実施しています。
血液・凝固検査 赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビンなどを測定し、貧血や炎症、血液疾患がないか調べます。凝固検査では、止血機能を調べます。
一般検査 尿では腎機能障害、尿路系疾患、糖尿病などを調べます。便では下部消化管のわずかな出血を検出することで、大腸がんの早期発見につながります。

生理機能検査

心電図や超音波など、患者さまの体に触れて行う検査で、身体での微弱な電気的現象を電気的、物理的にとらえ、その変化を記録して行います。

心電図検査 心臓から発生している弱い電気を、心電計で増幅し記録する検査で、心拍数やリズム、心筋の状態を調べます。
ホルター心電図 小さな記録機を装着していただき、24時間連続で心電図を記録します。心電図では記録できなかった心拍の不整や、心拍数、心筋の変化などを見つけます。
超音波検査 人の耳には聞こえない音を、こだま(エコー)の原理を利用し、外からは見えない体の中の臓器や血管の様子を写し出します。
心エコー
:心臓の拍動や弁の状態、血流を観察し、心臓の機能を詳しく調べます。
頚動脈エコー
:首の動脈を詳しく調べることで、動脈硬化の進行度や血管内の血栓、詰まりの程度を知る事ができます。
腹部エコー 
:主に、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などのチェックをし、異常、病変の有無を調べます。
神経伝導検査 体の表面から弱い電流をあて、神経の伝わる速さや大きさを測定し、神経の状態を調べます。
FMD
(血流依存性
血管拡張反応)
血液の流れるずり応力(川の水が岩を削る力)を使って血管の拡張の度合いを見ることで血管内皮機能を評価します。
動脈硬化の初期段階である血管内皮機能障害を早期に発見し、適切な治療をすることは脳梗塞や心筋梗塞などの心血管イベントの低下につながります。