医師紹介
岡本 安生 内科部長
私が約17年前に大学を卒業するにあたって内科を選んだのは、「病院の入口と出口の役割を担うことが出来るのは内科である」というある人の言葉に影響を受けたからでした。具合が悪く病院にやって来た人に対して、まず内科が対応し診断・治療を行う。内科で手におえない場合には外科など他科に依頼して専門的治療を受けた後、退院までのリハビリやその間の薬の調整などを可能であれば内科で対応する。医師になりたての頃はこのことを考えていれば十分だったように思います。
しかし高齢化が進んでいく中で、介護保険制度や後期高齢者医療制度の運用が始まり医療を取り巻く環境が大きく変わりました。この地域で内科医としてやっていくうえで、これまでと同じ考え方・やり方では責任をもってその人を診ているとは言えない時代になりました。現在入院中の患者さんを見ても、退院後スムーズに在宅復帰出来る方ばかりではありません。在宅復帰するにはもう少しリハビリが必要で、またその間の介護が家族では十分にできない場合、各種ある介護保険施設を利用することになります。残念ながらいろいろな事情で在宅復帰自体が困難な方もある一定数おられることも事実です。
そんな中、「病気は治ったから退院しましょう」では(特にご高齢の)患者さんへの対応としては十分ではないと思うようになりました。退院後の生活(介護する家族の生活も含めて)にまで配慮した対応も内科(私)の役割なのかな…と最近は思っています。これからは病院の出口から更に踏み込んで自宅の玄関先まで、もし在宅復帰が困難なら安心して生活ができる環境を用意するまでを私の役割と捉えたいと思っています。
平成25年11月から、併設の介護老人保健施設サンスマイル三木の施設長を兼任することになりました。約1年間、医療(病院)と介護(老健)の現場を行き来する中で私の役割について、こんな風に考えるようになりました。これからは更に高齢化が進むでしょうから、医療・介護制度はさらに変化していくと思っています。しかしどんな変化があっても、この役割を今後もしっかり果たしていけるよう努力したいと思っています。
(H27.5. 記)
専門 | 何でも診れる。患者さんにきちんと説明をすることができる。 消化器や糖尿病をはじめとする生活習慣病は得意分野。 |
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趣味 | 読書、ゴルフ |
1972年生まれ、加古川市出身。
平成10年神戸大学医学部卒業後、神戸大学第二内科に入局。
神戸大学医学部附属病院、須磨赤十字病院で研修。その後第二内科大学院にて糖尿病の最先端の研究に専念するかたわら、週2日だけ当院の診療に従事し、病棟、外来、救急にと大活躍の日々であった。研究も臨床も大きく極めたいという希望はあったが両立は困難であり、最終的に臨床の道を歩むことを決断した。糖尿病のみならず消化器を含め内科全般にわたっての診療を行うべきという強い信念から、神戸大学医学部大学院を卒業して博士号を取得後、たくさんの候補病院の中からこの三木山陽病院を自ら強く希望し、とうとう平成19年4月より仲間入りを果たすことになった。
森田院長とは他のスタッフと同様やはり強く関わっている。大学の卒業を前にして最も大事な進路の決定において、第二内科と別の内科とで大いに迷い、やっと決めた(第二内科でない)その日にそれを聞きつけた当時の第二内科医局長の現森田院長が夜遅くにアパートまでやって来て、3時間も粘られ、つい ”お世話になります“ と言ってしまってから早10年が経っています。
(H21.2. 記)